月初になると、まず開くのはXのアナリティクス画面とGA4(Googleアナリティクス。サイトのアクセス解析ツール)。数字をひとつずつ確認して、スプレッドシートに転記して、前月比を計算して……。広報のKPI(重要業績評価指標)をまとめるこの作業、地味に時間も神経も使います。「この作業、AIに任せられないかな」と思って試してみたら、想像以上にうまくいきました。
何が課題だったのか
コーポレート・コミュニケーション室では、X公式アカウントとコーポレートサイトの数値を毎月レポートしています。ただ、その準備にはいくつかの困りごとがありました。
- XとGA4、それぞれの管理画面から数値を拾ってスプレッドシートに手作業で転記していた
- 前月比の計算や体裁づくりに時間がかかり、月初の作業がまとまった負担になっていた
- 数字の羅列になりがちで、部署外への報告時に「結局、伸びてるの?」と直感的に伝わりにくかった
- 月をまたいだ推移を見たいとき、過去のシートを掘り返す必要があった
つくったもの
そこで作ったのが「広報KPIダッシュボード」です。単一のHTMLファイルとして動く月次ダッシュボードで、XアナリティクスとGA4のCSVファイルをClaudeに渡すだけで、その月のデータが反映された新しいHTMLが出来上がります。
主な機能はこんな感じです。
- X公式アカウントの数値(インプレッション、エンゲージメント率、フォロワー数など)を可視化
- コーポレートサイトの数値(セッション、ユーザー数、表示回数、流入元、人気ページ)を可視化
- すべての指標に前月比を表示。伸びていれば緑、下がっていればピンクで一目瞭然
- 月次推移のグラフで、数カ月のトレンドを俯瞰できる
- 過去月への切り替えも可能。データはHTML内に蓄積されていく
AIをどう使ったか
HTMLのデザイン
デザインはすべて生成AIに任せました。「コーポレートカラーを使って、前月比が直感的に分かるように」と伝えると、想像していたより何段も見栄えのするダッシュボードが返ってきて驚きました。細かい配色や文言の調整は、実際の画面を見ながら対話で直していきました。広報メンバーにコードが書ける人はいませんが、それでも完成までたどり着けたのは大きな発見でした。
CSVファイルの解析
XアナリティクスとGA4のCSVは、形式も項目名もバラバラです。ここもAIが吸収してくれます。エクスポートしたCSVをそのまま渡せば、必要な指標を読み取って集計してくれるので、人間側でファイルを整形する作業はありません。
HTMLへの反映
解析した数値を既存のダッシュボードHTMLに追記し、前月比の計算やグラフの更新まで含めてAIが行います。人間が担うのは、CSVのエクスポート、アップロード、そして出来上がった画面の数値がCSVと合っているかの確認です。最後の確認だけは必ず人の目で行うようにしています。
成果
| 指標 | 導入前 | 導入後 |
|---|---|---|
| 月次KPI更新の作業工程 | 転記・計算・体裁づくりの多工程 | CSV出力とアップロードの2工程 |
| 月次KPI更新の所要時間 | 都度まとまった作業時間 | 約5分 |
| 報告時の伝わりやすさ | 数字の羅列で説明が必要 | 前月比の色分けで直感的に伝わる |
「今月伸びてる?」と聞かれたら、画面を見せるだけで会話が始まるようになりました。
数字を「作る」時間が減った分、数字を「読む」時間、つまり次の打ち手を考える時間に充てられるようになったのが、いちばんの変化かもしれません。
学んだこと
- 最初から完璧を目指さないこと。まず1カ月分のデータで動くものを作り、運用しながら直すほうが早い
- AIの出力は必ず検算すること。集計ロジックの認識ずれがないか、初回は元データと突き合わせて確認した
- 「CSVを渡すだけ」という運用のシンプルさが継続の鍵。工程が多いツールは、忙しい月に使われなくなる
これから
まずは月次運用を安定させつつ、プレスリリースごとの反響分析や、note・採用広報まわりの数値も同じダッシュボードに載せていきたいと考えています。「数字をまとめる広報」から「数字で語れる広報」へ。AIと一緒なら、専門部署でなくてもそこまで行けそうだと感じています。
※ 本記事はPLAI立ち上げ時のサンプル記事です。掲載内容・数値は 構成確認用のドラフトであり、実際の取り組みに合わせて編集してください。